MCTD
2019 Diagnostic criteria for mixed connective tissue disease: From the Japan research committee of the ministry of health, labor, and welfare for systemic autoimmune diseases (厚生労働省)
I. 共通症状
1. レイノー症状
2. 手指ないし手背の腫脹
II. 免疫学的所見
抗U1-RNP抗体陽性
III. 特徴的な臓器病変
1. 肺高血圧
2. 無菌性髄膜炎
3. 三叉神経障害
IV. オーバーラップ徴候
A) SLE様徴候
1. 多発関節炎
2. リンパ節腫脹
3. 蝶形紅斑
4. 心膜炎または胸膜炎
5. 白血球減少(4000/μL以下)または血小板減少(10万/μL以下)
B) 強皮症様徴候
1. 手指の硬化
2. 間質性肺疾患
3. 食道機能不全(蠕動低下)または拡張症
C) PM/DM様徴候
1. 筋力低下
2. 筋原性酵素の上昇
3. 筋電図上の筋源性異常所見
以下のすべてを満たす場合に、MCTDと診断する。
● 少なくとも一つの共通症状、免疫学的所見、および少なくとも一つの特徴的な臓器病変
または、
● 少なくとも一つの共通症状、免疫学的所見、およびオーバーラップ徴候においてA、B、およびCの項目から2つ以上の項目にそれぞれ1つ以上の所見がある場合
1. 抗U1-RNP抗体の検出は二重免疫拡散法あるいは酵素免疫測定法(ELISA)のいずれでもよい。ただし、二重免疫拡散法が陽性で ELISA の結果と一致しない場合には、二重免疫拡散法を優先する。
2. 以下の比較的疾患特異的な自己抗体が陽性の場合は、混合性結合組織病の診断は慎重に行う。
i. 抗二本鎖DNA抗体または抗Sm 抗体
ii. 抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70抗体)またはRNAポリメラーゼⅢ抗体
iii. 抗ARS抗体または抗MDA5抗体
3. 小児または青年期では、以下のすべてを満たす場合に、MCTDと診断できる。
● 少なくとも、一つの共通症状、免疫学的所見、およびオーバーラップ徴候においてA、B、およびCの項目から少なくとも1つの所見
4. 鑑別診断は特徴的な臓器病変を判断するために必須である。例えば、無菌性髄膜炎が診断された際に、感染症や薬剤性、腫瘍関連髄膜炎を注意深く除外するべきである。鑑別診断は患者によって異なるため、考慮すべき鑑別診断が不明な場合は、専門のリウマチ専門医に相談すべきである。
Tanaka et al. Mod Rheumatol. 2020 Jan 7;1-5